『カフェタカオがピープルファースト福岡大会に出店!!』

 毎年1回催される知的障害当事者による知的障害当事者のための全国大会であるピープルファースト大会が9月17日~18日に福岡の北九州市で行われました。
 今年のテーマは「本当に役に立つ障がい者虐待防止法を作っていこう!」でした。メインの会場では、障害者虐待防止法や東日本大震災について話し合われました。どんどんを代表してKさんとSさんは壇上に上がり、自らが受けてきた差別について報告しました。
 KさんやSさんと一緒に福岡入りをしたTさんは、別の部屋でカフェの準備です。「出張カフェタカオIN福岡」の開店です。カフェタカオとはコーヒー好きのTさんが日々の楽しみで始めたカフェです。そこで出るコーヒーとその雰囲気が評判となり出張カフェをするようになりました。今回初めて生野区を飛び出し九州に出店です。今回の出店のために2ヶ月ぐらい前から準備を始めました。今回の出張カフェのねらいは?どのようにコーヒーを作って出す?お金はもらうの?などなどを検討し、今回初めて店員となる支援者はコーヒー作りの下準備から客への出し方まで練習をしました。
 今回、「出張カフェタカオIN福岡」が提供したコーヒーは、コーヒー豆をその場で手動ミルで挽き、プレス式のコーヒーメーカーで6分かけてお湯に浸した後、店長のTさんが最後にプレスバーを押して出来上がりです。今回は無料で提供することにしました。その場で挽きたて、作りたてだったこともあり、みんなに「おいしい」と大評判でした。店長もいつも以上に豆を挽き、最後のプレスを決めてくれていました。
 コーヒーが出来上がるまで6分の時間あったことから全国から来た人たちと話をすることができました。北九州の人はこの大会のためにピープルファースト直方ができ、初めてづくしの中ようやく開催にこぎつけたという話をしてくれました。東京の人からは「地域生活をすることイコール一人暮らしをする」場合が多いらしく、グループホームで暮らす人は限られているという話を聞きました。「このコーヒー豆は何?」と聞いてくるコーヒーマニアの人もいれば、わざわざ大阪から来てコーヒーを提供していることにびっくりされて、「大阪のどこにお店があるのですか?」と聞いてくる方もいました。Tさんの個人的な楽しみから福岡まで来て店を出しているという話に戸惑っている方もおられました。
 結局、コーヒー豆約500gと水11L分のコーヒーを作りました。その分、様々な人たちと交流ができ、準備していた店長の名刺や自己紹介カードも全て配り、出張カフェタカオは予想以上に大評判のまま閉店となりました。その頃には店長もさすがに疲れたようでした。しかしこの日、更なるサプライズが待っていました。
 ホテルのロビーでジュースを飲んでいるTさんに見知らぬ男性が話かけてくるではありませんか。「このTさんがいたから札幌にガイドヘルパー制度ができたんだよ」とのこと。Tさんがかつて出演したビデオを観て、「札幌にもガイドヘルパー制度が必要だ!!」と盛り上がりその2年後に制度ができたとか。Tさんがグループホームでの生活を始めて15年。Tさんが地域生活をあたりまえに続けていることが、こんな風に多くの人に影響を与えているなんて。本当にうれしいおどろきでした。