講演「できることからはじめたい!」


講演「できることからはじめたい!~東日本大震災における被災地と要援護被災者の現実とこれからの展望~」がいくの市民活動支援センターと地域共生生野推進委員会などの主催でありました。

 この3月2日(土)に宮城県南三陸町からNPO法人奏海の杜(かなみのもり)の理事長である菊池さんと事務局長の太齋(だざい)さんが来られました。震災前からの障がい当事者支援活動、震災時の障がい当事者が置かれた状況、その後の障がい当事者が展開した救援活動のこと、そして現在とこれからのことをお話しして頂きました。
 その中でも印象に残ったお話は、東日本大震災のような大災害後の地域全体が混乱した状況にあっても個々のニーズに対応した丁寧な支援が必要であること。震災後に改めて気づいたという「つながりの備蓄」の大切さについてでした。
 この「つながりの備蓄」とは、一つは地域に根付いた生活であり、自他共に認められ、地域の一員として生きることで「近くの人」とつながること。もう一つは、今まさに被災者である自分たちは被災していない「遠くの人」に元気をもらっており、このような「つながり」を大切にしていくことを指します。
そして、「つながり」を備蓄するためには、近くの人に対しても遠くの人に対しても自らが発信し「つながり」を求めていくことが何よりも必要だということでした。
 実際、医療的なケアが必要なお子さんが、地域の避難所で2ヶ月過ごすことができたのは、それまで地域の学校へ行き、その地域の一員として認められて生きてきたからだというお話がありました。
 NPO法人奏海の杜は、救援活動から生活支援活動へと展開する中で、新しい社会資源の必要性を感じ、もっと地域に根ざした息の長い活動を続けていく責任を感じたことで立ち上げた法人とのことです。震災から2年が経ちましたが、被災地で活動を続けていく為に、まだまだ人も物も不足していること、皆の力添えが必要なことを強く訴えられました。
 菊池さんと太齋さんは、この2日間で生野区の他に西成区と岸和田市でも講演をされました。生野区での参加者は約60名ほどでした。
私たちも、これからもつながっていくことができればと思っています。